前回、非エンジニアをIT Optimizerに育成する実践記録をお話ししました。
今回は、実際にIT Optimizerが作り上げたプロセス改善の具体例を、技術的な詳細も含めてご紹介します。「どんなツールを使って」「どう組み合わせて」「どんな価値を生んだのか」をリアルにお伝えします。
今回ご紹介する2つの事例
事例1:商談要約システム
オンライン商談の内容を自動で要約し、CRMに保存。次回アクションまで提案。
作成者
営業部 Aさん(Builder レベル)
事例2:電話対応記録システム
電話の文字起こしから重要情報を抽出し、顧客データベースに自動登録。
作成者
カスタマーサポート Cさん(Designer レベル)
どちらもコードを一切書かず、ノーコードツールとAIを組み合わせて実現しています。従来なら数百万円の開発費がかかるシステムを、月額数千円のコストで構築しました。
事例1:商談要約システム
週10時間の作業を10分に短縮
課題:商談後の作業に時間がかかりすぎる
従来の業務フロー
1. オンライン商談(Zoom)
30分〜1時間の商談
2. 議事録作成(20分)
記憶を頼りに、重要ポイントをワードにまとめる
3. CRMに入力(10分)
Salesforceに商談内容、次回アクション、担当者情報を入力
4. タスク作成(5分)
次回のアクションをタスク管理ツールに登録
合計:1商談あたり約35分の事務作業
週20商談 × 35分 = 週約12時間を事務作業に費やしていた
解決策:全自動化システム
新しい業務フロー
1. オンライン商談(Zoom)
30分〜1時間の商談(変わらず)
2. 文字起こし自動取得
Zoomの文字起こし機能が自動でテキスト化
3. AI要約 + 情報抽出
ChatGPT APIが以下を自動生成:
- • 3行サマリー
- • 顧客の課題・ニーズ
- • 提案内容
- • 次回アクション
- • 決定事項
4. Salesforceに自動保存
商談レコードに要約と詳細を自動登録
5. タスク自動作成 + Slack通知
次回アクションをAsanaに登録、チームに通知
合計:人間の作業時間 = 約1分
(確認のみ。修正が必要なら数分追加)
技術的な構成
使用ツール・サービス
📹 Zoom
• オンライン商談
• 自動文字起こし機能
⚡ Make.com
• ワークフロー自動化
• 各サービスの連携
🤖 ChatGPT API
• 文字起こしの要約
• 情報抽出
💼 Salesforce
• 顧客データ管理
• 商談履歴保存
✅ Asana
• タスク管理
• 次回アクション登録
💬 Slack
• チーム通知
• 要約の共有
AIプロンプトの工夫
単に「要約して」ではなく、営業に必要な情報を構造化して抽出するプロンプトを設計:
# プロンプト例
以下の商談の文字起こしから、次の形式で情報を抽出してください:
【3行サマリー】
- 箇条書き3点で全体を要約
【顧客の課題・ニーズ】
- 顧客が抱えている問題や要望
【当社の提案内容】
- 提案したソリューション
【次回アクション】
- 期限付きで具体的なタスク
【決定事項】
- 合意した内容
成果
97%
作業時間削減
(35分 → 1分)
週11時間
捻出された時間
(顧客訪問に活用)
100%
記録漏れゼロ
(従来は30%漏れ)
開発期間・コスト
⏱️ 開発期間:3日(実働10時間程度)
💰 月額コスト:約8,000円(各SaaS利用料の合計)
事例2:電話対応記録システム
顧客対応の質が劇的に向上
課題:電話対応の情報が属人化
従来の問題点
- ❌電話対応した内容が個人のメモに残るだけ
- ❌別のスタッフが対応すると、過去の経緯がわからない
- ❌顧客データベースへの入力は手作業、記録漏れも多い
- ❌フォローアップのタスクが作られず、対応漏れが発生
解決策:電話内容の完全自動記録
自動化された業務フロー
1. 電話対応
クラウド電話システム(Dialpad)で通話
2. 自動文字起こし
通話終了と同時に、音声が自動でテキスト化
3. AI分析・情報抽出
Claude APIが抽出:
- • 顧客名・連絡先
- • 問い合わせ内容(カテゴリ分類も)
- • 対応内容
- • 感情分析(満足度推定)
- • 必要なフォローアップ
4. 顧客DB検索 + 更新
• 既存顧客なら履歴に追加
• 新規なら新規レコード作成
5. フォローアップタスク作成
必要に応じて担当者にタスク割り当て + 通知
技術的な構成
使用ツール・サービス
📞 Dialpad
• クラウド電話
• リアルタイム文字起こし
⚡ n8n
• ワークフロー自動化
• セルフホスト可能
🤖 Claude API
• 高度な文章理解
• 構造化データ抽出
📊 Airtable
• 顧客データベース
• 柔軟なデータ構造
✅ ClickUp
• タスク管理
• チーム協働
💬 Slack
• 緊急度の高い案件通知
• チーム共有
高度な機能:感情分析とカテゴリ分類
単なる記録だけでなく、顧客の感情や問い合わせの緊急度を自動判定:
😊 感情分析
「満足」「不満」「クレーム」を3段階で判定。クレームは即座に管理者に通知
🏷️ 自動カテゴリ分類
「製品不良」「使い方質問」「契約変更」など10カテゴリに自動分類
⚡ 緊急度判定
「即対応」「24時間以内」「通常」の3段階で優先度を自動設定
成果
100%
記録完全性
(記録漏れゼロ)
80%
対応時間短縮
(過去履歴参照が容易)
95%
顧客満足度
(従来75%→95%)
副次的な効果
- 新人スタッフでも、過去の対応履歴を見ながら高品質な対応が可能に
- 問い合わせ傾向の分析により、FAQやマニュアルを改善
- クレーム対応の初動が速くなり、炎上を未然に防止
開発期間・コスト
⏱️ 開発期間:1週間(実働25時間程度)
💰 月額コスト:約12,000円(各SaaS利用料の合計)
2つの事例から学べる共通パターン
1. 「既存ツールの組み合わせ」で実現
ゼロから開発するのではなく、既存のSaaSやAPIを組み合わせるだけ。これがIT Optimizerの強みです。
2. 「AIが知的作業を代行」
要約、分類、判定など、従来は人間がやっていた「考える作業」をAIに任せることで、大幅な効率化が可能です。
3. 「ノーコードツールがハブ」
Make.comやn8nが各サービスを繋ぐ「司令塔」として機能。プログラミング不要で複雑なワークフローを構築できます。
4. 「作成者が現場を知っている」強み
外部のエンジニアではなく、実際に業務をしている人が作るからこそ、本当に必要な機能が実装されます。
5. 「低コスト・短期間」
数百万円×数ヶ月ではなく、数千円×数日で実現。これがIT Optimizerの革命性です。
IT Optimizerは「魔法使い」ではなく「現実的な問題解決者」
✅ 使っているのは既存ツール
特別な技術ではなく、誰でも使える一般的なSaaSとAPIの組み合わせです
✅ コードは書いていない
プログラミングなしで、ビジュアルなワークフロー設計だけで実現しています
✅ 完璧ではないが十分に価値がある
100%の精度ではありませんが、80-90%の自動化でも劇的な効果があります
あなたの職場にも、
こんな自動化のチャンスが眠っています
IT Optimizerになれば、それを自分の手で実現できるのです。